明度と彩度を調べて、さし色(アクセントカラー)に向く万年筆インクを探してみた
■万年筆インクの基本色と さし色
ノートの本文を書くときは、万年筆らしい落ち着いた色合いで適度なコントラストがつくブルーブラックを基本色(ベースカラー)として使っている。
そして本文を書いた後、分析、アクション、意見などを別の色で追記している。これらは、パッと見て違いが分かるよう目立つさし色(アクセントカラー)にしたい。目立たせるには、明度・彩度が高い方が向いているので、インクの明度・彩度を調べてみた。
■万年筆インクの色分布測定
自分が見たのは、『趣味の文具箱』vol.14。明度と彩度の数値や各色相系統ごとのグラフが載っていて調べやすい。記事の測定方法や表示方法は以下の通り。
①測定方法
LIFEの情報カード(無地、白)に書いたインクの色見本をコニカミノルタの分光測色計で分光反射率を測定。
②測定結果の表示方法
3次元の座標で色を表示する「CIELab」で表現。その3次元の軸は、L*(明度)、a*(赤/緑)、b*(黄/青)。そして、a*とb*の絶対値のC*が彩度になる。
なお、『趣味の文具箱』は、何度もインクの測定結果を特集しているが、明度・彩度が載っていない号もあるので注意。例えば最近では、『趣味の文具箱』vol.47には明度・彩度のグラフ(ブルー~グリーン系)が載っているが、vol.44には色相・彩度のグラフだけで、明度・彩度のグラフは載っていない。
■明度・彩度の高かったインクのシリーズは
多くの種類が売られているインクのシリーズとして、ペリカン「4001」と パイロットの「色彩雫」で比較してみた。『趣味の文具箱』vol.14によるとペリカン「4001」の方が全般的に明度・彩度が高かった。(紫系統の明度だけはパイロットの方がやや高いが) おそらく、パイロット「色彩雫」は趣のある色合いを求めて、彩度が低めだったのではないだろうか。
①紫系統
②緑系統
・明度: ペリカン ブリリアントグリーン > パイロット 深緑
・彩度: ペリカン ブリリアントグリーン >> パイロット 深緑
③茶系統
・明度: ペリカン ブリリアントブラウン > パイロット 土筆
・彩度: ペリカン ブリリアントブラウン >> パイロット 土筆
(※ 15%以上差がある場合、>>記号にした)
なお、赤やオレンジの方が目立つのだが、本文のブルーブラックとの色の対比の好みで茶系統を使っている。
■明度・彩度の以外の特性は
ペリカン「4001」は、ボトルインクが比較的安価なのも大きな利点。(万年筆のカラーインクでは1番かも) また、インクの出(インクフロー)は比較的良く、書いた紙での にじみやすさは一般的で、書くうえでも問題なし。
■まとめ
明度・彩度の高いペリカン4001シリーズは、コスパも優れていて、さし色として常用している。
さし色は、本文に比べて書く量が少ないので、ボトル1本で長いこと使える。インクの消費量が少ないと万年筆内のインクの蒸発(ドライアップ)が気になるが、プラチナのスリップシール機構付き万年筆「プレピー」など蒸発しにくい万年筆を使っているので問題なし。
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