金ペン万年筆の書き味に憧れる鉄ペン万年筆のユーザーへ
■金ペンの万年筆としてメリットは
万年筆のペン先は「金ペン」(14金などの金合金)と「鉄ペン」(ステンレスなど鉄合金)に大きく分類される。金ペンは鉄ペンに比べて かなり高額なので、金ペンを使ったことのない万年筆ユーザーには金額に見合う万年筆としての価値があるかどうか気になるところ。(高級品としての価値は置いておいて)
金ペンはインクで錆びないのがメリットと言われることも多いが、最近の鉄ペンは めったにインクで錆びたりしない。
実は金ペンのメリットは塑性変形しやすい材料特性を活かしてペン先の調整が しやすく、書き味を追求しやすいこと。
■金ペンらしい書き味を味わうための おすすめ
金ペンと言っても書き味は製品によって様々。フワフワの しなりやすいペン先もガチガチの しならないペン先もある。
それでも多くの鉄ペン万年筆ユーザーの多くが期待する金ペンの書き味は ソフトタッチでは ないだろうか。鉄ペンは しなりにくいペン先が多いので。
そんな書き味に憧れる人に おすすめの初めての金ペン万年筆は ずばりパイロット「カスタム74」SFM(ソフト系中細)。
カスタム74は金ペンとしては低価格帯ながらペン先の選択肢が非常に多い。特に「S」の記号が付くソフト系のペン先は 初心者にも しなり過ぎない範囲でソフトタッチを十分味わえる。パイロットの筆圧測定によると、筆圧が比較的低い人に おすすめらしい。
またSFMの字幅は滑らかさ、実用性、美文字のバランスが絶妙。細字のようなカリカリ感は なくて十分滑らか。そしてノートなどでも字が つぶれにくい程度の線の太さ。そのうえ筆圧の強弱で日本語らしい描線のメリハリを つけられる。さらに基本的な線の太さが中庸なので、ペン先の調整でインクの出(インクフロー)を変えれば、細い線にも太い線にも変えられる。
■使い勝手も優れている
カスタム74は使い勝手も優れている。
インク吸入は比較的大容量のコンバータ、パイロット CON-70が使えるので、インク吸入頻度が減らせる。
パイロットのメンテナンスも素晴らしい。もし何か問題が生じても、あちこちにあるパイロット取扱店からクリーニングや修理が比較的安価に依頼できる。
そして自分でカスタマイズするのも楽しい。(自分の場合だけなので保証は できないが)首軸の互換性が良いので、鮮やかで複雑な柄が美しいパイロット カスタム レガンス等の軸やキャップに交換して軸の美しさと書き味の両方を楽しめる。
■まとめ
初めての金ペンにはパイロット「カスタム74」SFMが おすすめ。ソフトタッチや字幅のバランスが良いので金ペンの出発点として ちょうど良い。筆圧コントロールの練習をしたり、ペン先を調整して自分の好みの方向を見出したり、そのままペン先が自分の書きクセに なじむよう使い倒したり。様々な楽しみ方が できると思う。
■注記
※このレビューは あくまで個人的意見
※ペンは 調整、インク、芯、紙等との関係により書き味が変わるので要注意
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