毛筆みたいな(超極太の)字が手軽に書ける面白いペン
■まとめ
・ ジンハオの万年筆「X750」美工筆 は特殊な形状のペン先が特徴。ペン先の先端が上へ折れ曲がっている。そこが紙面と当たる角度を変えることで描線の太さを大きく変えられる。毛筆のような字を書けるかもしれないが、思うような描線を書くには練習が必要だろう。
・おすすめの使い方は 大きめの封書や のし紙の記入。普通に書くと線が太いので用途が限られる。
・自分の使い方は万年筆画の練習。裏書きを含めれば標線の太さを極端に変えられるので1本で いろいろな線を書けて面白い。
■レビュー
①外観
・形状
両端が丸まった平凡な形状だが、特に難点はない。クリップも板材を曲げただけだが曲線的な形状で工夫していている。
・色彩、質感
塗装やメッキも特に問題なし。以前はツヤありのブラックを買ったので今回はイエローメタリックにしたが、色合いは派手すぎ比較的落ち着いた印象。
・寸法
全長141mm、直径14mm(軸) 。比較的太めで、持ち応えのあるサイズ。
・重量
38g (全体)。金属製なので重い。直径が比較的太めなので重さの割に重く感じない気がする。
②書き味
・グリップ
軸の表面がツヤツヤでグリップ力は問題なし。
・取り回し
重いのでキャップを軸に挿さず(キャップ ポストせず)書くのが お勧め。それならば取り回しは一般的。
・筆記感
ペン先の しなりは少ない。描線の太さをペン先の しなりでコントロールするタイプのペン先ではない。(以前 X750を改造して作った「Gペン万年筆」とは真逆)
ペン先の滑らかさは滑らかとは言えないが、特殊可能のペン先としては想定内で引っかかるほどではない。
ペン先を上下裏返した裏書きでも引っかかるほどではない。裏書きではペン先の柔軟性は ほどんどなく ガチガチ。
・描線
これこそが特殊ペン先「美工筆」の目的。筆記角によって極端に変わる。裏書きまで含めれば細字から超極太字まで書ける。超極太字は毛筆のような太さ。細字は毛筆ほど細くはないかも。
そしてペン先が比較的硬めなので筆圧が多少変化しても線の太さは安定している。(筆記角さえ安定していれば)◎
昔セーラーの万年筆「ふでDEまんねん」を使ってみたときにはペン先が しなるため筆圧と筆記角を同時に十分コントロールしないと安定した描線が書けなかった。それが難しくて使うのを あきらめた。
一方 X750の安定感は素晴らしい。これなら書く練習のしがいもある気がする。
③機能
・ペン先、ペン芯
ペン先は先端側2mmほどで大きく上へ折れ曲がっている。折れ角が大きいので かなり筆記角を立てないとペン先の先端で書くことが できない。自分の場合は普通の持ち方で書くと折れ曲がった面が紙面について極太字になる。線の太さをコントロールするには立てて書くよう気を付ける必要がある。
インクの出(インクフロー)は パイロットのインキを入れた限りでは極太線が問題なく書けるほど潤沢だった。
・インク
付属されていたコンバーターは機能に問題なく、容量も少なくなさそう。
・キャップ
カチッとした音で しまる剛性感。ただし時々しまらずに引っかかることがある。もしかしたら折れ曲がったペン先がキャップの内部構造に引っかかているのかも。以前買った普通のペン先の場合は そんな引っかかりは なかった。
気密性は意外と良い。インクが すぐに蒸発することはなかった。
・クリップ
はさむ力は十分。
④その他使い勝手
・携帯性
比較的太目なので携帯には あまり向かない。△
・保守性
ペン先の乾きやすさは悪くない。普通に使って、洗浄すれば大丈夫そう。
・耐久性
金属製による耐久性は良さそう。
⑤総合評価
・特徴
極端に描線の太さを変えらえる特殊ペン先。◎
(ただし筆記角を立てるようにコントロールすることが必要)
・適した使い方
毛筆に慣れていない人が手軽に毛筆のような超極太字などのメリハリある字を書くのに向いている。
■注記
※このレビューは あくまで個人的意見
※特に目立つ点について記号でマーキング。◎は長所、△は短所
※数値は自分で測った値なので、仕様とは違うかもしれない
※ペンは 調整、インク、芯、紙等との関係により書き味が変わるので要注意
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