4種類のフレックスニブをペン先の しなりやすさ や 線幅の変化などで評価
■フレックス ニブと言っても いろいろ ある
柔軟性を特徴とした万年筆のペン先は「フレックス ニブ」と呼ばれたりする。と言っても その特徴は製品ごとに様々。
また フレックス ニブを使う目的は 人によって様々。弾力を楽しんだり、毛筆のような線の強弱を つけたかったり。
これまでフレックス ニブを何種類も使ってきた中から4種類についてペン先の製品ごとの特徴や おすすすめの使い方を紹介する。
■ペン先の特徴を しやりやすさ や線幅の変化 などで評価
自分が使ってきたフレックス ニブのうち4種類の特徴を紹介。4種類の相対比較でABCDにランク付けしてみた。
① パイロット フォルカン
パイロットが「超ソフト調 毛筆の筆跡」と言っているペン先。
形状はペン先の側面が丸く えぐれられている。表面の刻印もシンプル。
・筆圧かけた時の しなりやすさ A ちょっとした筆圧で すぐ しなる
・筆圧による線幅の変化の大きさ C 金ペンは壊しそうで筆圧で無理は しにくい
・書く時の滑らかさ A さすがパイロット
② コンクリン オムニ フレックス
最近 JoWo が製造している と思われるペン先。(以前とは変更されている。モンテベルデにも提供)
形状はペン先の側面に斜めの切り欠きがある。またペン先の厚みがある。
・筆圧かけた時の しなりやすさ D 柔軟性は あまりない (フレックスとしては硬め)
・筆圧による線幅の変化の大きさ D 筆圧かけなくても線が太い
・書く時の滑らかさ C 少しザラつきを感じる
③ FPR ウルトラ フレックス
②のユーザー レビューを調べてた際に発見。柔軟性を求めて交換することを おすすめされていたペン先。
(※ ここでのレビューは②コンクリンに合うサイズよりも小さいサイズ)
形状はペン先の側面が丸く えぐれられている。切り割りは長く、ハート穴は ない。
・筆圧かけた時の しなりやすさ C やや弾力(コシ)のある柔軟性
・筆圧による線幅の変化の大きさ B しっかり筆圧かければ太い線が書ける
・書く時の滑らかさ B 大体滑らか
④ ジンハオ 改造 Gペン
以前 紹介したGペン万年筆へ改造したもの。ペン先はGペンそのもの。
形状はペン先の側面に四角い切り欠きがある。
・筆圧かけた時の しなりやすさ B 先端側が しなりやすい
・筆圧による線幅の変化の大きさ A 極細~極太まで変化できる
・書く時の滑らかさ D 押し書き方向は引っかかる
(※ 押し書きでの引っかかりへの対策として美工筆のように先端を曲げる改造も考えられるが、ペン先を折るリスクも高く、書き味はガリガリになるので おすすめしない)
■フレックスの目的ごとに おすすすめのペン先
各々のペン先の特徴を踏まえて フレックスニブに期待する目的ごとに おすすめのペン先を紹介。
・日本語らしい線の強弱で美文字を書きたい場合
① パイロット フォルカン
軽い筆圧で線幅を変化させられ、書き味滑らかなので美文字に集中できる。
ただし筆圧に敏感なので筆圧のコントロールにはシビア。(自分の場合は筆圧を下げて書くように練習して なんとか制御できるようになってきた)
・筆圧をかけて弾力を楽しみたい場合
③ FPR ウルトラ フレックス
筆圧かけると割と手ごたえ を感じられる。
筆圧の かけ具合が分かりやすく、筆圧が高めの人でも 壊しにくそう。
(※ と言っても もちろん筆圧のムチャな かけ過ぎには要注意)
筆圧によって線幅も変化し、滑らかさも悪くないので汎用的に使える。
(※ もし線幅を あまり変化させたくない場合は別なペン先の方が向いている)
・ちょっとしたソフトタッチでラフに書きたい場合
② コンクリン オムニ フレックス
柔軟性が少なめなのでラフに筆圧変化させても割と安定した線が書ける。
見た目ほど柔軟性は ないので しなりやすさを期待すると期待外れになる。
・ペン画を描きたい場合
④ ジンハオ 改造 Gペン
陰影のハッチングなどで繊細な線を描くには これしかない。
もともとペン画向きのペン先。字を書くのには向いてない。
■まとめ
一口に「フレックス ニブ」と言っても特徴は様々なのでユーザーの目的に応じて多様な選択肢が有って面白い。
もし 目的が定まらず とりあえず フレックス ニブを試してみたい という場合は 万人向けで汎用的な FPR ウルトラ フレックスが おすすめ。
■注記
※このレビューは あくまで個人的意見
※ペンの使いやすさは感覚によるところが大きく人によって変わるので要注意
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