日本語のトメ、ハネ、ハライなど大胆に書けて、習字も できそうだ
■細字から極太の線まで書ける万年筆が欲しい
以前紹介したように、ダイソーの100円 万年筆にタチカワのGペンを挿して、ペン先をフレックス化した「Gペン万年筆」に改造した。それで極細から太字の線を描けるようになったのだが、使っているうちに段々と物足らなくなってきた。
老山羊鋼筆などの習字の動画を見ていると、まるで毛筆のように細字から極太の線まで自在に書いている。Gペン万年筆も極太の線まで書けるようならないだろうか。
■毛筆のように書ける万年筆をヒントに
毛筆のように書ける万年筆を調べていたら、ペン先の穂先を上へ曲げている製品が多かった。日本の製品ではセーラー「ふでDEまんねん」。中国本土や台湾では色々製品が売られていて、中国本土では「美工筆」、台湾では「書法尖」と一般的に呼んでいるようだ。
これらをヒントに、Gペン万年筆もペン先の先端を上へ曲げる改造をしてみた。
■ふでDEまんねん と 改造Gペン万年筆の違い
ペン先の先端を上へ曲げた万年筆は筆記角を寝かせるとペン先の平らな面が紙に ついて極太字を書くことが できる。逆にペン先を裏返して裏書きすると極細字が書ける。
この仕組みは ふでDEまんねん も改造Gペン万年筆も同じだ。自分は ふでDEまんねん を使いこなせなかったが、改造Gペン万年筆は使いやすい。その違いはペン先の しなりやすさ による。
ふでDEまんねん はペン先が しなりにくいので、主に筆記角で線の太さをコントロールする必要があり、また筆記角によって線の太さがガラッと変わるので、コントロールが難しかった。(非線形性が強い)
一方、改造Gペン万年筆は元々しなりやすかったペン先が改造によって さらにしなりやすく、切り割り(スリット)が開きやすくなった。そのため主に筆圧で線の太さをコントロールでき、普通の万年筆と同様の使い方なので使いやすい。筆記角は追加オプションという感じ。
■改造Gペン万年筆で書いてみると
・線の太さ
改造Gペン万年筆は細字から極太字まで毛筆のように線の太さを自在に変えられて面白い。改造前よりも格段に太い線が書ける。毛筆のような習字も できそうだ。
・書き味
元のGペンはカリカリだったが、改造によってガリガリに なってしまった。ペン先を曲げた際にスリットが開いてしまって、スリットの内側が引っかかるようだ。ペン先の断面形状が円弧なので、スリットが開かないように曲げるのは難しい。
『趣味の文具箱』 vol. 11を見て万年筆の調整を練習していたが、ペン先の先端が繊細すぎて、スリットを寄せきれなかった。セーラーなどの製品は さすがに上手く作ってある と感心した。
・書きやすさ
改造によって書く向きによる差は減った。押し書きでの引っかかりは少し減り、左払いで太い線も書けるようになった。
・インクの出
極太字を書くためにインクの出(インクフロー)が良くなるようペン先とペン芯を挿し直したら、今度はインクフローが多く なり過ぎて困った。インクが にじみやすい紙だとボケボケの線で裏までインクが しみてしまう 。極太字を書くためにインクフローは足らないよりは多い方がマシなので、ペン先は そのままにして、にじみにくい紙を選んで書いている。
■まとめ
Gペン万年筆を再改造したら、まるで毛筆のような線が書けて面白かった。これなら手軽に習字を練習できそうだ。書き味はガリガリだが、普通の万年筆とは別の種類と考えて無視するしかない。気にして いじり過ぎると また壊してしまう。
なおリスクが大きいので、安易にマネしないよう要注意。元々のペン先を壊す改造であり、まともに書けなくなるリスクがある。自分の場合は最初にトライしたときはペン先を折り曲げるのに頑張りすぎて先端を折ってしまった。
■追記
ダイソー万年筆の加工は大変なので、Gペン化には加工が楽なジンハオの万年筆を おすすめする。
■注記
※たまたま自分の場合の話なので、結果を保証しません。試すときは自己責任で
※ペンは 調整、インク、紙等との関係により書き味が変わるので要注意
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