ミニマリズムを徹底。これぞ「良品廉価」と言うべきコスパ最高のペン
■まとめ
・ 無印良品「詰め替えるペン」ノック式は低価格なのに必要最小限の優秀な機能とシンプルなデザインでコストパフォーマンスが最高。またボールペンの芯(リフィル)をゼブラ「サラサ クリップ」等と入れ替えて使えるので、様々なインクの色やボール径を楽しめる。
・おすすめの使い方はインクの色違いで何本かペンスタンドに立てておいて、ノートや書類に書く内容を色分け。鮮明なインクで きれいな字が書けるし、グリップがゴム(エラストマー)ではないので、ペンスタンドの抜き挿しがスムースだ。
・自分の場合はガラスのコップをペンスタンドにして、4本くらい入れて使っている。基本的なインクの色分けは、時間経過の分かる3D筆記術の4色ボールペン版。エラストマー グリップが好みでない自分にとって、気軽に使うにはピッタリだ。(逆にエラストマー グリップ好きには お勧めできないが)
■製品情報
無印良品「詰め替えるペン」ノック式は、軸と芯(リフィル)を自分で好きに選んで、組合せて使用。軸は色違いで、ブラック、ホワイト、半透明の3種類。芯は「替芯 さらさら描けるゲルインキボールペン」など、ボール径とインクの色の違いで多数の種類がある。いずれも低価格で 買いやすい。
ノック式の他にキャップ式の製品や芯がセットされた「さらさら描けるゲルボールペン」も販売されている。
■レビュー
①外観
・形状
軸は、円筒に円錐が付いただけの幾何学的でシンプルな形状。モダンで飽きが来なそう。◎
ペン先(チップ)を出すと、ペン先と口金の形状が そろって全体が円錐形状になり、シャープな印象が増す。機能的にもペン先 先端の位置が分かりやすい。
クリップは直線形状の側面が なだらかに軸に つながり、全体の一体感がある。直線形状なので、上面のパーティングラインも あまり気にならない。クリップと軸が なだらかに一体化する形状は無印良品「ポリプロピレン六角軸油性ボールペン」のクリップにも通じる感じ。
・色彩、質感
軸は何の飾り気もないスッピンの樹脂。色はモノトーンだけ。ブランドや製品名の表示もない。
半透明の軸ならノックで表示しなくてもインクの色が分かる。インクの色が 柔らかく透けて見えるのもオシャレ。
ブラックは材質感が分かりにくいの、幾何学的なシンプル形状のラミー「スイフト」などと並べておいても違和感が少ない。
・寸法
全長 144mm、直径10.4mm(軸)。ボールペンで一般的なサイズ。
・重量
10g (全体)。ボールペンとしては やや軽め。
②書き味
・グリップ
何の へんてつもない円筒の樹脂だけなので、グリップの滑りやすさは平凡。エラストマーグリップなどに比べて滑りやすいと思う人も多そう。しかしエラストマーグリップのベタベタ感が苦手な人にとっては うれしい製品。(◎)
・取り回し
とにかく軽量なので、振り回してもペンの重量や慣性力は あまり感じない。それよりもペン先の抵抗を感じるユニークな感触。
・筆記感
さらさら描けるゲルボールペンの芯を入れると、サラサ クリップと同様に筆記抵抗が小さめでインクが滑らかに出る感覚。ペン先が紙に当たったり、ボールが こすれる抵抗を若干感じるが、書きにくいほどの大きさではない。むしろ ていねいな字を書かせる適度な抵抗。
ノック式ながら、ペン先のガタは ほとんど感じない。
・描線
さらさら描けるゲルボールペンの芯を入れると、顔料ゲルボールペンらしい鮮明な色、にじみの少ない描線。書いた字が きれいに見える。 美文字術の おすすめ本『練習しないで字がうまくなる』でも、サラサクリップなどの顔料ゲルボールペンを推奨していた。
カッコ良い字ならばメリハリのきいた線の書ける万年筆だろうが、きれいな字ならば安定してクッキリした線の書ける顔料ゲルボールペンが良い。
なおインクの乾きはサラサ クリップと同様で あまり早くない。気になる場合は別の芯に入れ替えれば大丈夫。
③機能
・芯(リフィル)
芯は自分で選んで詰め替える方式。無印良品の製品以外でも、C300系などの芯ならば互換性は かなり有りそうなので、選択肢は多い。◎
自分で試した芯の互換性は以下の通り。(※たまたま自分の場合の話なので、結果を保証しません。試すときは自己責任で)
<互換性あり>
ゼブラ サラサ クリップ
三菱鉛筆 シグノ (ノック式)
<互換性なし>
パイロット ジュース
ラミー ローラーボール
・ノック
ノックボタンは十分大きく押しやすい。押す力も音も軽い感じ。
・クリップ
軸と一体型の樹脂なので、弾力は あまり強くない。軸との すき間も少し空いている。そのため服のポケットなどの薄いものに はさむのには向いていない。△
④その他使い勝手
・携帯性
クリップの弾力が強くないため、ペンホルダーやペンケースに入れた方が良い。エラストマーグリップでないなめ、ケースなどからの出し入れはスムース。
・保守性
芯の交換は難しくない。
ゲルボールペンは油性ボールペンに比べてインクの減りが早いが、大量に使うのでなければ あまり問題にならない。気になるなら油性ボールペンの芯に替えることも できそうだが、グリップの滑りやすさが平凡なので、インクの出やすいゲルボールペンや水性ボールペンの芯の方が向いている。
・耐久性
まだ長期間 使っていないため具体的な耐久性は不明だが、比較的柔軟性のある樹脂なので、割れたり、摩耗したりすることは少なそうだ。
・入手性
価格が最安レベルで安いのは うれしい。◎
現時点では販売中なので入手性は問題なし。ただ無印良品の製品は廃番になるものも多いため、気がついたときに入手することを お勧めする。△
⑤総合評価
・特徴
エラストマー グリップが付いていないシンプルで安価なゲルボールペン。◎
(エラストマーグリップ必須の人には△)
芯の入れ替えが前提なので、様々な書き味やインクの色や描線を楽しめる。
・適した使い方
何本か そろえておいて、インクの色やボール径で使い分けるのに向く。
■注記
※このレビューは あくまで個人的意見
※特に目立つ点について記号でマーキング。◎は長所、△は短所
※数値は自分で測った値なので、仕様とは違うかもしれない
※ペンは 調整、インク、芯、紙等との関係により書き味が変わるので要注意
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