鉛筆の削りカスまでも楽しめるとはカルチャーショック
■鉛筆の多彩な使い方と楽しみ方を教えてくれる
以前紹介した通り土橋正氏の『仕事文具』がキッカケで、あらためて鉛筆の魅力に気づいた。その魅力を もっと探求すべく鉛筆についての専門書を読んでみた。
文具ライターの小日向京氏の著作『考える鉛筆』は、鉛筆に関する あらゆる使い方と楽しみ方を紹介している。もちろん鉛筆と それに関連する道具の特徴も。
その紹介は、鉛筆を削り器で削ることと削りカスの香りや見た目や感触から始まる。削りカスが楽しみというのはカルチャーショックのような驚きだ。それに続くナイフでの削りかたや鉛筆の握り方の紹介も、思わず試してみたいと思う多彩さ。
自分が興味を持っていた書き味と描線については、書く紙の種類によって分類されていてタメになる。紙も筆記具のうち だそうだ。
■特に気になった内容は
①削り器と削り口
電動削り器で削ると削り口が とても長いそうだ。言われてみれば その通りだ。自分は子供たちのために買った、サンスターの電動削り器「KS-7」で いつも削っている。削り口が長いと芯の太さの変化が小さいので、細い描線が長持ちして欲しい自分には合っている。
電動削り器の削りカスは細かくブレンドされて、芳香が あまり楽しめないそうだ。ちょっと残念なので、最近はステッドラーの手動削り器も使っている。
②滑らかさ
滑らかだから良い鉛筆とは限らないそうだ。粒子の粗い芯に思考を刺激されることもあるとのこと。確かに、カリカリした書き味の方が書いている実感があって、うれしいこともある。自分の場合は最初に4Hでラフスケッチを描いて、その後10Bで濃淡つけるという書き方を最近している。これだとカリカリもスラスラも両方楽しめる。最初に考えながら描くのには神経を使うカリカリが合っているし、仕上げるときには気分が乗るスラスラが合っている。
■まとめ
この本を読んだおかげで、鉛筆の楽しみ方が五感(味覚除く)に訴えるものだと分かった。多彩な削り方や描線のカスタマイズも試してみたい。
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