デザインに凝りだすとキリがないが、機能だけに割り切れば意外と簡単かも
■印刷・製本についての労力
前回紹介した『最新トレンドから導く手帳テクニック100』には、自作手帳についても書かれていた。印刷・製本の交渉などに膨大な労力が必要なので、既製品を良く調べ方が良いという結論。1冊作るのに100冊印刷・製本するとか。そう考える人が一般的なのかもしれない。
自分の場合は、以前紹介した 1冊から格安で注文できる画期的な印刷・製本サービス「製本直送.com」を利用している。そのため、印刷・製本について労力は ほとんどかからない。ただし、自分でpdf形式の原稿を作成する必要がある。その労力が問題だ。
■なるべく簡単に原稿を作るなら
なるべく簡単に原稿を作るための お勧めの方法は、以下の通り。
①ツール
お勧めのツールは、Microsoft 「Excel」などの表計算ソフト。Excelならば、DATE関数などで曜日などを自動で表示させたり、条件付き書式で特定の曜日だけ色を付けたりできるので、原稿を作る手間が大きく減る。そして、2年目以降は、年号の数字や祝日などの変更をするだけとか、大した手間は かからない。
また、excelによるカレンダーの作成方法や無料ダウンロードできるフォーマット データがネット上に多数上げられているので、とっつきやすい。ダウンロードしたフォーマットをカスタマイズすることから始めるのも1案。
②ページレイアウト
単純にページ数の少ない方が簡単だ。例えば、週間スケジュールやデイリーは そのページ数を作る手間だけでも大変なので、月間スケジュールが お勧め。
また、本文のページ数は製本の都合上4の倍数が効率的。例えば、見開き2ページの月間スケジュールの場合、1年間で見開き24ページだが、その前後に片面のページが付くので合計26ページ以上になる。それなら年間スケジュールやメモページを追加して28ページや32ページにすると効率的。
③手帳フォーマット
お勧めのフォーマットは、なるべく関数などの設定が単純なもの。例えば、月間ホリゾンタル(縦に数字が並び、予定は横書き)などの日付の位置が連続して固定されているフォーマットは、関数などの設定が比較的単純。月間ブロックなどの日付の位置を自動的に変える設定もWEEKDAY関数などを使えば可能だが、やはり手間が多くなる。
■デザインに凝り出すと大変
原稿を作る際の注意点は、機能に割り切って、デザインに凝らないこと。数字や文字や罫線を表示するだけなら比較的簡単だが、それらのサイズ、位置、色などのデザインを思うようにしたい と考えだすとキリが なくて大変だ。(試作して修正というのを何十回もやって大変だった実体験からのアドバイス)
その他にツールの問題もある。excelでは基本的にセル単位なので微妙な調整は難しい。図形なども挿入できるが、編集に手間が かかる。
特に色は、プリントしてみないと本当の色は分からないので、気に入った色を出そうと思ったら調整に大変な手間がかかる。
実際 自分の場合も、カラープリンターで色調整した原稿を製本直送.comで印刷・製本したら、イメージが違って、再調整したことがある。■原稿作成の手順(例)
例えば、月間ホリゾンタルを例にすると作成の手順は以下の通り。
①ページレイアウトを手帳のサイズに設定 (例えばA5)
②年号と月の数字をセルに記入
③日の数字をセルを月末まで記入(連続データ作成機能)
④曜日を入れたいセルにDATE関数を記入(年月は絶対参照、日は相対参照)
⑤曜日のセルのデータを全ての日付分コピペ
⑥曜日のセルの書式設定をユーザー定義で「aaa」に(曜日が日本語表示される)
⑦その他文字や罫線などを記入(曜日などで書式を変えるなら条件付き書式)
⑧ページに収まるように文字やセルの大きさを調整(ページレイアウト表示で)
⑨シートを必要な月数分コピペ(年の数字は1月のページなどを絶対参照)
⑩祝日を記入(excelには祝日の機能がないので手動入力)
⑪Microsoft Print to Pdfまたはファイルのエクスポートでpdf変換
⑫2年目からは年号の数字、2月の日数、祝日の変動を修正して、pdf変換
※excelによるカレンダーの作成方法がネット上に多数上げられているので、関数や条件付き書式などを含めた詳しい作成方法は それらを参照ください。
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