レトロ感のある似たようなシャープペンシルで違いがあるだろうか?
■まとめ
レトロ感のある似たような形状・寸法・重量のシャープペンシルである ぺんてる「P205」と サクラクレパス「レトリコ」シャープペンシル 0.5mm を直接比較してみた。
・どちらも機能性に優れている。 軽量かつ多角形・横溝グリップが効いているので 取り回しが しやすく、長いガイドパイプで書く所の見通しが しやすい。
・違いとしては 重量・重心、軸後半の形状、グリップ長などが 少し違う。
その影響で P205の方が筆記角度を少し立たせぎみにして字を書くなどに向く。
一方 レトリコは少し寝かせぎみにしてラフスケッチなどの速記きに向く。
■製品情報
・ ぺんてる「P200」シリーズは 世界的ベストセラー級のシャープペンシル。今回レビューした「P205」は シリーズのうち芯径 0.5mmのモデル。
・サクラクレパス「レトリコ」は 学生向け筆記具ブランド。今回レビューしたのは 芯径 0.5mmのシャープペンシル。
■レビュー
①外観
・形状
> P205
軸は全体が多角形。グリップは 横溝が刻まれ ペン先へかけて少し先細り(テーパー)。クリップは製図用シャープに ありがちな軸に巻き付いた構造。全体的に機能性優先な印象。◎
> レトリコ
軸は前半が多角形・横溝のグリップ、後半がグリップ部分より少し細い円筒形。中央が ふくらんだ なだらかな紡錘形。クリップは むき出しではなく、軸の突起に埋め込まれた構造で すっきりシンプルなデザイン。全体的にメリハリの効いた印象。◎
・色彩、質感
> P205、レトリコ
どちらも 樹脂製の軸、シルバーメッキの金具、ラバー(エラストマー)なしのグリップで質実剛健。◎
どちらもカラーバリエーションは多彩。P205はネオンイエロー、レトリコはビビッドブルーを購入。どちらも鮮やかな色で、周りまで華やかで楽しいイメージ。◎
・寸法
> P205
全長 140 mm、グリップ長 20 mm、ガイドパイプ(スリーブ) 4 mm
直径 8.9 mm (軸)、7.6mm (グリップ前方)。
シャープペンシルとしてはグリップ部分がスリムで短い。
ガイドパイプの長さは製図用シャープペンシル並みに長い。
> レトリコ
全長 139 mm、グリップ長 32 mm、ガイドパイプ(スリーブ) 4 mm
直径 8.5 mm(軸)、7.5 mm (グリップ前方)。
P205に比べて軸が さらにスリム、グリップが長い。
ガイドパイプはP205と同様。
・重量、重心
> P205
重量 9.0 g。シャープペンシルとしては軽量。◎
重心 ペン先から 69 mm。シャープペンシルとしては一般的。
> レトリコ
重量 8.2 g。P205と比べて さらに軽量。◎
重心 ペン先から 74 mm。P205に比べて少し後方。
②書き味
・グリップ
> P205
グリップの多角形と横溝が効果的で滑らない。◎
グリップが短いので 持つ位置が決まりがち。しかし自分にとっては筆記角度が字を書くのに適した範囲内となり問題ない。
なお グリップ以外の軸も多角形だが 横溝がないので指を置くと縦に滑りやすいかもしれない。
> レトリコ
P205と同様に グリップの多角形と横溝が効果的で滑らないが、軸の後方が細く、ツルツルした円筒形なので指の付根が落ち着かない。△
(グリップより軸が細いので立てて持つと指の付け根がスカスカする→つまりグリップの太さだけでなく、グリップと軸との太さのバランスも持ちやすさにとって重要★)
P205に比べてグリップは長いので持つ位置の自由度がある。重心が少し後方なので 長いグリップの後方寄りを持つ方が落ち着く。そうすると筆記角度は寝かせぎみになる。
・取り回し
> P205、レトリコ
どちらも全長が短め、軽量なので取り回しは良い。◎
それでも直接比較すると P205よりレトリコの方が少し軽量なので レトリコの方が少し取り回しは楽。(単独では あまり気にならないが)
なお P205のグリップを外せば軽量になり取り回しも良くなるだろうが、クリップは かなり硬い金具なので 壊しそうだし、元へ戻せないと思えるため 外していない。
・見通し
> P205、レトリコ
どちらもガイドパイプ(スリーブ)が長く、ペン先金具(先金、口金)が シャープな円すい台の形をした先細り(テーパー)なので 書く所(筆記点)の見通しが良い。◎
ただし 先金のテーパーが目立つので そこが筆記点ぽく見えてしまって、長いガイドパイプによる実際の筆記点とのズレを生じて 違和感を感じる人がいるかもしれない。★
・剛性感
> P205、レトリコ
どちらも 先金が しっかりしていて 剛性感を感じる。◎
③機能
・芯(リフィル)
> P205、レトリコ
P205の方が少し硬めに感じるが、シャープペンシルは好きな芯を入れればよいので無評価。
・ノック
> P205、レトリコ
ノックボタンの形状は よく似ていて、押しやすい形状。◎
ノックした音・感触は P205が金属質・メカ的、レトリコが柔らかい。
・クリップ
> P205、レトリコ
金属板を曲げたクリップで はさむ力は十分。◎
P205は金具が むき出しだが、外すつもりなら利点になる。
・消しゴム
> P205、レトリコ
どちらも消しゴムはキャップ内収納の小さなものなので未評価。
④その他使い勝手
・携帯性
> P205、レトリコ
どちらも小型・軽量、ラバーグリップなし、クリップも機能的なので基本的に携帯に向くが、ガイドパイプが長くて収納されないため注意を要する。△
・保守性
> P205、レトリコ
どちらもペン先の精度・剛性が良いのか、中での芯折れの経験なし。
替芯の入れ方などは似ている。どちらもクリーナーピンの内臓なし。
・耐久性
> P205、レトリコ
どちらもグリップはラバー(エラストマー)ではないので劣化は問題なし。
内部機構はP205の方が金属チャックのため有利かもしれないが、ハードに長期間使わないと分からないので未評価。
⑤総合評価
・特徴
> P205、レトリコ 共通
グリップの良い形状、取り回しの良い軽量、見通しが良く しっかりしたガイドパイプなど機能的なデザインが素晴らしい。◎
携帯の際には長くて固定のガイドパイプに注意。△
> P205 (レトリコと直接比較での わずかな違い)
軸全体がテーパーの効いた多角形なので指の付け根も滑らず落ち着く。
グリップの長さが短いので持つ位置が決まりがち。
>レトリコ (P205と直接比較での わずかな違い)
グリップが長く、軸がグリップより細く、重心が少し後方なので筆記角度を寝かせた方が落ち着く。
また 少し軽いので早書きに向く。
・適した使い方
> P205
筆記角度を少し立たせぎみにして字を書くなどのに向く。
>レトリコ
筆記角度を少し寝かせぎみにしてラフスケッチなどの速記きに向く。
■注記
※このレビューは あくまで個人的意見
※特に目立つ点について記号でマーキング。◎は長所、△は短所
※数値は自分で測った値なので、仕様とは違うかもしれない
※ペンは 調整、インク、芯、紙等との関係により書き味が変わるので要注意
※改造は個人的な実験結果なので、結果を保証しない。試すときは自己責任で
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