「分かち書き」をすると日本語が もっと分かりやすくなる
■タイプライターのための「分かち書き」
「分かち書き」とは 単語の間にスペースを空けて文章を書くこと。
民族学者で京大名誉教授の梅棹忠夫氏の著書『知的生産の技術』には 手帳、情報カード、書類整理、読書、手紙、日記、原稿書きなど さまざまな知的生産にまつわることが書かれている。その一例が タイプライターと「分かち書き」だ。
梅棹氏は 英文タイプライターでローマ字を書いていて 「東大システム」という分かち書きを覚えたそうだ。タイプライターを使ったのは 効率だけでなく 字の美しさという美的観点のためらしい。その後 英文タイプライターからカナモジ タイプライター、ひらがなタイプライターへ替え、ひらがな・カタカナ タイプライターの発明を楽しみにされていた。
■IT時代の「分かち書き」の提案
現代では デジタルで自由に字を書くことが できる。梅棹忠夫氏の夢見た世界だ。ひらがなやローマ字だけでなく、手書きでは書けない漢字も漢字変換によって簡単に書くことが できる。
デジタルで書かれる文章は 読みやすさや書きやすさを重視して ひらがなが多く、句読点の少ない文章であることが多い。(実は このブログの文章も 普段仕事で書く文章に比べて ひらがな多め、句読点少な目)
そんな文章は 流れるように読みやすいが、単語の区切りが分かりにくいため 意味の分かりにくさを感じる。
また 句読点の入れ方に色々な方法があり、書くときに句読点を入れた方が良いか迷うこともある。例えば 主語の後に読点を打つか打たないかは 主語の前の文の長さや主語の後の述語までの長さによる という感覚的なルールもあり、読点を打つかどうか いつも悩む。
そこで IT時代の「日本語デジタル分かち書き」を提案する。ルールは ひらがなやカタカナや漢字など同種類の文字が続いていて読みにくいとき、または句読点を省略したいとき 単語の間に半角スペースを入れるという単純なもの。全角スペースだと すき間が目立ちすぎるが、半角スペースなら そんなに不自然ではない。
なお 日本語の分かち書きには 色々なルールが 提唱されているが、ここでの提案は ルールの緩いところがポイントだ。単語ごとに全部区切るような厳密なルールだと 書くのも読むのも面倒くさい。(それらのルールの多くは ローマ字や かなの文章を対象にしているので こここでの かな漢字交じりルールに比べて 多くの区切りを必要とする)
ここで提案しているルールは ひらがなが続いても 読みやすければスペースを入れなくてもよい くらいの緩さでよい と考えている。
(例)
「ルールなどさまざまでもよい」→「ルールなど さまざまでも よい」(分かち書き)
「ルール等さまざまでも良い」→ そのまま(ひらがな少ないので)
「ルール等様々でも良い」→「ルール等 様々でも良い」(分かち書き)
「ルール等は、さまざまでも良い」→「ルール等は さまざまでも良い」(分かち書き)
「しかし、ルール等さまざまでも良い」→「しかし ルール等さまざまでも良い」(分かち書き)
■まとめ
読みやすさを重視して ひらがなが多め、句読点少な目の文章を もっと読みやすくするため緩いルールの「日本語デジタル分かち書き」を提案。この文章も そんな分かち書きをしているのだが、読みやすい だろうか?
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