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文具クエスト (ブンクエ)

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ビジネス文書おすすめフォント① ゴシック体 (Windows) (Office)

MS Officeのアプリごとに 可読性、判別性、視認性の良いフォントを使い分け (仕事術)

■アプリの用途によって読みやすいフォントが違う

  Windowsで標準的に入るフォントも読みやすくて美しいものが増えてきたので、フォントの選び方を考えてみた。

  自分の場合は仕事でビジネス文書を作ることが多い。文書の種類によってMicrosoft OfficeのWord, Excel, Powerpointのアプリを使い分けている。その文書とアプリの種類ごとにフォントも使い分けると読みやすさ(可読性、判別性、視認性)が違ってくる。

  それで いろいろなフォントで書き比べて、おすすめフォントを選んでみた。

■読みやすさの観点

可読性: 文章の読みやすさ

・線の太い大きな文字がすき間なくギッシリ並んでいると読み疲れする。

判別性: 文字の区別のしやすさ

・字の中のスペース(フトコロ)や線の開口が広いと字の判別がしやすくなる。(①に少しマイナス)

視認性: 文字や文の見つけやすさ

・線が太くて大きめな字で特徴のハッキリした字形は目につきやすい。(①にマイナス)

■候補にしたフォント

  候補となるフォントは最近のWindowsで標準的に入っている和文フォント。そこからビジネス文書に向いた 装飾のない「ゴシック体」を選んだ。選んだ候補は以下の通り。

・BIZ UDP ゴシック: 最近Windowsに入った。ユニバーサルで字を判別しやすい。

・BIZ UD ゴシック: 上記の等幅フォント

・MSP ゴシック: 昔なじみのWindows標準フォント。線の統一感が ちょっと気になる。

・MSゴシック: 上記の等幅フォント

・MS UI Gothic:  上記の画面表示用。元のフォントよりも幅が狭い。

・游ゴシック: 最近のWindow標準フォント。線の太さ(ウェイト)が複数あり、ここでは普通の太さを選んだ。

・Yu Gothic UI:  上記の画面表示用。

メイリオ: 以前のWindows標準フォント。幾何学的な印象。スペースは広くとる。

・Meiryo UI:  上記の画面表示用。

・HGPゴシックM:  ハイグレードのフォント。線の太さ(ウェイト)が複数あり、ここでは普通の太さを選んだ。

・HGゴシックM:  上記の等幅フォント

Wordで読みやすいのは これ

  Wordで作る文書は長文が多い。だから文章として多くの字が並んだときの可読性が重要。多くの字が並んでも煩雑で重く見えないように 字が小さめで線が細めのフォントが向いている。字の1つ1つを識別しやすく、読み疲れしにくい。(それがゴシック体より明朝体の方が長文に向いていると よく言われる理由) また1ページに多くの文章を収めるためスペースも あまり広くないフォントが向いている。

  結局おすすめなのは「游ゴシック」。字が小さめなので字の間に隙間があり、線が細めなので、多くの字が並んでも煩雑にならない。また太字にすると線の太さにメリハリが出て、見出しや単語を強調するのにも効果的。

  ただひとつ難点は大文字のアイ「I」と小文字のエル「l」を区別しにくいこと。もし気になるときは英数字用フォントの設定を別のフォントにしても良いかも。

  またプリンタや画面によっては線が細すぎるように見える場合もある。その場合は同じ字形で線が太い「游ゴシックMedium」を使うと良い。

  なお游ゴシックMediumは太字にしても線が あまり太くならず、メリハリがつかないので要注意。

  太字のときは普通の「游ゴシック」(実は「游ゴシックRegular」)を太字にした方が太い(実は「游ゴシックBold」になる)ので、強調するときは こっちを使うと良い。

 

Excelで読みやすいのは これ

    Excelで作る文書は表やグラフが多い。だから英数字が並んだときの判別性が重要。カンマ「,」やピリオド「.」などの記号を含めて英数字などを判別しやすく、桁並びが分かりやすい等幅のフォントが向いている。また表などの狭いスペースに書きこむため幅が狭めのフォントが向いている。
  結局おすすめなのは「BIZ UD ゴシック」。線が太めでユニバーサルな字体なので字を誤解しにくい。大文字のアイ「I」と小文字のエル「l」も区別しやすい。
  ただひとつ難点は数字のゼロ「0」と大文字のオー「O」の区別が微妙なこと。それでも幅の狭さからすると なんとか許せる範囲か。もし気になるときは等幅でなくなるが「Meiryo UI」などを使うとか。

PowerPintで読みやすいのは これ

  PowerPointで作る文書はプレゼンテーションのスライドが多い。だから字数の少ない単語をパッと見たときの視認性が重要。線を識別しやすく、単語が まとまって見えるよう線が整然と そろっているフォントが向いている。また太字にした時の線のメリハリ(強調性)も重要。

  結局おすすめなのは「メイリオ」。線が幾何学的に そろっている字体なので、線を識別しやすく、色々な形の字が整然と1つの単語にまとまって見える。また太字にしたときの線のメリハリも十分。

  難点は あまりない。ただスペースが広めなので、図のキャプションなど小さいスペースには「Meiryo UI」などの別の幅の狭いフォントの方が向く場合もある。

 ■実はユニバーサル フォントに期待していた

 実際に使い比べてみる前は新しくWindowsに入ったユニバーサル フォントの「BIZ UDP ゴシック」に期待していた。このフォントの字体は判別性が素晴らしく、日本語らしさのあるスタイルで美しい。

  しかし文書の中で字を並べてみると優れている とは言えなかった。字が大きく線も太目なので、字が並ぶと字の間の隙間がなくて煩雑で重く見えるしスペースも必要になる。また太字にしてもメリハリが少なく強調しにくいのも残念。

  結局すべてが完璧なフォントは ないのかも。例えば、この判別しやすい字体をベースにして、もう少し幅と線を細目にしたバリエーションがあれば、ビジネス文書に最適なフォントになりそうな気もするのだが。

まとめ

  ビジネス文書で重要な読みやすさ(可読性、判別性、視認性)で比べて選んだ おすすめフォントは以下の通り。

・Wordの長文は可読性で「游ゴシック」(または「游ゴシックMedium」)

・Exceの表・グラフは判別性で「BIZ UDP ゴシック」(または「Meiryo UI」)

PowerPointのプレゼン スライドは視認性で「メイリオ」(または「Meiryo UI」)

■追記

  Wordなどはスタイルの管理で日本語用の和文フォントと英数字用の欧文フォントを別々に設定できる。(和欧混植)
  これを利用すれば「游ゴシック」の難点である大文字のアイ「I」と小文字のエル「l」を区別しにくいことをカバーできる。例えば 日本語用を「游ゴシック」、英数字用を「Meiryo UI」にすれば、少し違和感あるものの英数字の区別を しやすくなる。

■追記2

  明朝体のおすすめフォントは こちら

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