見た目の面白さのため、実用的でないのに つい集めてしまった土産品のペーパーナイフ
■置物になってしまったペーパーナイフ
前回、見た目の面白さでペーパーナイフを選ぶと使いにくいことが多いことを紹介した。今回は、まさに そんな感じで置物になってしまったペーパーナイフを紹介する。
以前は、デザインが面白くて、かさばらない土産物のつもりで、ペーパーナイフを よく買っていた。最終的には、最高のペーパーナイフと思えるブラジル土産のH-Sternのペーパーナイフに出会って、もう買わなくなったが。
そんな旅の情緒あるコレクションから いくつかを紹介。(なぜ実用的でないかの理由も)
①鴨 (カナダ)
ペーパーナイフを土産として集め始めたキッカケの1本。簡単な木彫りだが、それっぽい塗装で意外とリアルに見え、つぶらな瞳がカワイイ。頭や胴体がグリップ、長く伸びた尾が刃になっている。
グリップは持ちやすく、刃が長いのは良いが、刃が分厚く、鋭さもないので、よく切れない。それで飾り棚行きの結果に。
②キタキツネ (北海道)
さらに簡単な木彫りで、塗装はニス(?)だけだが、キツネっぽさは表されている。
刃は、ある程度鋭いが、短いうえにカーブが きつくて、手紙などを切るのには向かない。また、グリップになる頭や胴体が小さく、持ちにくい。
③象 (タイ)
素朴な木彫りで、塗装もされていないが、象が行進しているようなデザインは楽しい。
刃は、ストレートで長く、鋭さも多少あるが、刃先の幅が広いため、手紙などを切るには向かない。また、グリップと刃の区別がないので、持ちにくい。
④象 (ケニア)
これも素朴な木彫り、無塗装だが、木材は黒檀らしく質感は悪くない。それに金属製の刃が取り付けられている。象の装飾と刃を分けるのは、機能的で良い。
刃は、鋭さ、幅、長さの いずれもペーパーナイフ向きで悪くない。しかし、一つ残念なのは、グリップ部分が細長くて持ちにくいこと。装飾の象も一緒に持てば、力は かけられるが、どうも持ち心地が良くない。
⑤リャマ (ペルー)
全体が金属製で、地名などが刻まれていて、いかにも土産物という風情。鋳造製なのか、厚みもあって重厚感もある。金属の厚みでモフモフ感が表されたリャマがグリップ部分で、刃は別に分かれているので機能的。
刃の鋭さ、幅は悪くないが、長さが短くて、使い勝手としては 今一つ。グリップもリャマの頭側は十分な長さだが、お尻側は長さが短くて尻尾が手に食い込むので、持ち心地が今一つ。全体的には悪くないが、ちょっと残念。
⑥ワヤン人形 (インドネシア)
これも全体が金属製で、よく見ると細かい細工がされている。しかし、プレス加工なのか、薄くて安物感がある。経年劣化でムラになった表面も、伝統芸のワヤンには合っている気がする。
刃は、鋭くて、先端が尖っているので、使いやすい。しかり、グリップ部分に尖った装飾が たくさん付いているので、持つと手が痛い。最初から お飾りだ。
■まとめ
見た目の面白さを出そうとすると、刃が太くなったり、グリップが持ちにくくなったりして、実用性が劣ってくる。それに比べて、H-Sternのペーパーナイフは、持ちやすい大きさの石のグリップが見どころになっているので、用と美が高レベルでバランスしていて、素晴らしい。