この本に書かれたアイデアの第1原理 「アイデアとは既存の要素の新しい組合せ」は、あちこちで引用されているので、知る人も多いだろう。第2原理もあるのだが、御存じだろうか?
■なぜこの本を読んでみたか
会社で仕事をしていると、いつも上司から新しいアイデアを出せ と言われて、四苦八苦している。それで、アイデア出しについて調べてみると、前述のアイデアの第1原理が本やブログで引用されているのを何度も見かけた。出典は原著1940年出版のロングセラー。薄い本だが、きっと本質的なことが書かれているに違いない。
■どんな本か
アイデアに原理があるという発想が先ず新鮮。アイデアの第2原理は、「既存の要素を新しい一つの組合せに導く才能は、事物の関連性を見つけ出す才能に依存する」。何かの関連性を見つけることなら自分でも出来そうだ と期待させられる。
著者は、アメリカ最大の広告代理店トムプソン社の常任最高顧問だった実業家ジェームス・W・ヤング氏。広告業界での豊富な実績に裏打ちされている。
■参考にしたポイントは
アイデアの作成方法が5段階で書かれているが、特に参考にしたのは最初の2段階。
①資料を集める
製品に関する特殊資料と世の中の様々な出来事に関する一般的資料を集める。項目ごとに5×3インチの情報カードへ記入する。
②資料を咀嚼する
1つの事実をあちこちに向けて、意味を探し求める。 2つの事実を一緒に並べて、かみ合うか調べる。
⇒つまり、ネタを1枚1項目で何でもカードに書いて、関連性を見つける。それで思いついたこともカードに書く。アイデアは特殊知識と一般的知識の組合せから生まれる。カードに書いたことが数年後に役立つこともある。
■実際に試してみると
5×3情報カードの代わりに、自分で使い慣れた道具へアレンジしてみた。(調べるだけでなく、自分流に工夫するのがブンクエ)
使ったのは、 携帯性と汎用性を重視して、5×3情報カードと大体同じ大きさのシステム手帳ミニ6穴サイズ。用紙(リフィル)が自在に入れ替えできるので、汎用的に業務情報、TODOなども書いている。
そして、見かけたネタや思いつきを1枚1項目で書く。書いた用紙は、後で手帳から抜き出して、アイデアの用途ごとに ゆるく分類して、保存用バインダーにとじる。
その後、アイデア出しが必要になると、用紙を机の上に並べ、見比べて検討する。ミニ6穴サイズだと用紙を机の上に並べやすい。他の資料も一緒に並べて比べたりする。いろいろな紙を自由に一緒に取り扱えるのは、アナログ文具ならではのメリット。
紙だとデジタルみたいに検索できないが、アイデア出しには かえってそれが良い。書いたものを捜したり、とじたりするためページをめくっていると、目的のページ以外も自然と目に入ってきて、再発見したりする。(遠回りも役立つ)
■以前と比べると
以前は、システム手帳を使っていたが、お決まりのスケジュール、業務情報、TODOなどを主に書いていた。たまにネタを書いたとしても、紙がもったいなくて1枚に何項目も書いていた。だから、関係ない項目が並んで、読み返すのも面倒で、いつしか忘れてしまっていた。
今では、1枚1項目で書いているので、分類しやすく、見つけやすくなった。そして、もう5年以上続けているので、大分バインダーがたまった。バインダのページをめくっていると、日付はバラバラなのに似たようなネタや思いつきを書いているのを見つける。そういうのは普遍的なアイデアだろうと思って、応用方法を考えたりして、活用している。このように考えやすくなったのは、何年も続けて、ネタや思いつきが蓄積してきたおかげ。(継続は力なり)
■まとめ
ネタと思いつきを1枚1項目で書き続け、関連性を見つけると、アイデアにつながる。
使う文具は、何枚か並べて見比べやすいもの。この本に書かれていた情報カードの代わりに、システム手帳などでも良い。 もしアイデア出しに悩んだら 、面倒なルールもないし、始めてみてはどうだろうか。
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